一般取引条件

1  取引条件の範囲

1.1.      本取引条件(以下「本条件」という。)は、WegscheidEntrenco株式会社(以下「甲」という。)および顧客(以下「乙」という。)との間において現在および将来的に締結される取引関係および契約のすべてに適用されるものとする。

1.2.      乙の取引条件は、本条件をもって明示的に放棄され、本条件と異なる取引条件、相反する取引条件および/または追加の取引条件は、甲がその存在を知っていたとしても、甲がかかる条件の有効性について書面にて明示的に同意しない限り、甲との契約の一部を構成するものではない。乙が本条件を受け入れない場合、乙は、契約締結前、または遅くとも契約締結時に甲に対し書面にて明示的にその旨を通知しなければならない。

第2条  契約の締結

2.1.      甲は、個別の提案(以下「提案書」という。)に従い各潜在顧客に対して、また甲が受入れた乙の注文書(以下「注文書」という。)に従って、ガス化装置、燃焼器具、動力装置等のハードウエア製品(以下「ハードウエア製品」という。)を販売する。販売されたハードウエア製品がある場合、その仕様は、乙宛の個別の提案書に記載されている。また、甲は、ハードウエア製品に関して第三者が製造した製品(以下「第三者製品」という。)(ハードウエア製品および第三者製品を総称して以下「本件製品」という。)を販売する。

2.2.      甲はいかなる場合も見積もりおよび提案を行う義務はなく、適用のある付加価値税および他の公租公課および費用の支払は除外される。見積もりおよび提案は、見積もり/提案を受けて行う注文の誘因として行われる。乙による注文書は、その発行後1ヶ月間乙に対して拘束力を有するものとする。

2.3.      甲の見積もりまたは提案についての口頭での所見、コメントまたは変更および/または特定の目的のための適合性保証および/または本条件の変更もしくは追加は、その旨が書面にて明示的に確認された場合にのみ有効となるものとする。口頭および/または黙示的な保証および/または条件は、本条件により明示的に放棄され、両当事者間における本条件の一部を構成しない。両当事者が明示的に署名した書面による本契約(以下に定義される。)(乙の注文書により受諾された甲の個別の提案書等)を伴う本条件は、両当事者の取引関係に関する完全な合意を構成する。

2.4.      乙が甲との契約の締結後、その変更または補足を要求した場合、甲は、要求のあった変更内容を精査し、乙に対して合理的な追加補償での本契約の変更を書面により誠実に提案するものとする。乙は、乙による当該変更要求に起因する甲の履行の遅滞につき、債務不履行または他の権利の請求を行う権利を有しない。

 

2.5.      甲は、両当事者間の契約の本来の主題の観点から、技術改良の実行のために技術的に必要または合理的で、かかる改良が公正かつ適切である(かつ乙はかかる改良を受け入れることを合理的に期待される)限りにおいて、自己の製品またはサービス(以下に定義される。)を変更する権利を留保する。購入価格の変更は、甲乙間の合意によってのみ効力を生じる。乙が遵守すべき日本の法令の改定があった場合または乙が用意する設備の規格の改定があった場合、甲は、乙に対し、その旨を事前に通知する。

2.6.      適用のある個別の見積もりまたは提案書に記載された価格は、工場渡での固定価格である。提案書に記載のある場合に限り、現金割引が可能である。引渡国における付加価値税、および他の公租公課ならびに包装、税関、運送保険または環境的取扱に関する費用(現地の許認可および要件)に加え運送費用については、別途乙に対して請求が行われる。

2.7.      両当事者間での本契約の締結後、甲の製品またはサービスに関する法的要件の変更または為替レートの変動による価格上昇によって甲の費用が増大した場合は、第2.4条に基づく権利にかかわらず、甲は、合理的に価格を値上げする権利を留保する。甲は、増大した当該費用の総額を、当該価格上昇を請求する際に乙に対して証明するものとする。さらに、乙は、購入価格が5パーセントを超えて増大した場合には、本契約を終了させる権利を有する。

2.8.      甲による図面、パンフレット、絵および他の文書における重量仕様、寸法、美的その他技術的仕様ならびに経済的計算は、甲による個別の提案書に記載があり、乙による注文書の受諾または両当事者が署名した書面による相互の合意に別段の記載がない限り、拘束力を有しない。

第3条  運用および保守

3.1.      甲による所有権の留保(下記を参照のこと)の実効性を確実なものとするため、乙は、提供された製品(特に動力装置)を本条件に従って下記を含むがこれらに限らないの目的のために運用することに同意する。

a) 提供された本件製品(特に動力装置)が、指示通り、かつ適切な環境(外気温、対象地域、空気循環および適切な配管網等)において使用されていることを保証すること。

b) 甲が承認した工業用原料のみを使用し、当該原料に石および他の非バイオマス物質等の汚染物質が含まれていないことを保証すること。乙は、動力装置の円滑な稼働のみを目的として、標準化された原料とともに、提供された製品、特に動力装置を稼働させることに同意する。甲は、操作マニュアルの更新の都度、電子的又は書面にて乙に通知し(要求に応じて口頭で説明することを含む。)、乙の質問に速やかに回答する。さらに、乙は、操作マニュアル(甲の合理的な裁量により適宜更新されたもの)に記載された品質のウッドチップ/原料を使用することを厳守し、設置指示および両当事者間のサービスプラン提案(以下に定義される。)または注文確認書(以下に定義される。)に従って提供された製品(特に動力装置)の保守を慎重に行うことに同意する。

これらの品質管理条項の誤用または違反があった場合、提供された本件製品に関する甲による保証は無効となり、免除され、適用されないものとみなされる。

3.2.      甲は、個別の提案書に別段の記載がなく、当該注文書でその旨が受諾されている限りにおいて、本件製品を付保なしで提供するが、乙の要求があった場合、下請運送業者を利用して当該本件製品を梱包し、引き渡すものとする。包装および配送費用(運送保険および通関費用を含む。)は、甲の個別の提案書に別段の記載がなく、乙の注文書でその旨が受諾されている限りにおいて、製品の価格には含まれず、提案書/注文書に含まれていない場合は、業界において合理的および実務とされているものに従い甲がこれを計算するものとする。

4  サービス  保守、運用、エンジニアリング

4.1.      甲は、各潜在顧客に提供される個別にカスタマイズされたサービスプラン(以下「サービスプラン提案」という。)(当該顧客が受諾したサービスの注文書に記載される。)に基づき、保守および運用サービス(以下「保守・運用サービス」という。)の販売を行う。

乙が甲から保守・運用サービスを購入した場合、甲は、製品の円滑な稼働を確保し、かつ、原料の品質基準をモニターするため、個別のサービスプラン提案に従い、当該サービスプラン提案中指定された製品(特に動力装置)を1日当たり最大24時間、1週間当たり最大7日間、モニターすることができる。当該目的のため、甲が提供する製品(特に動力装置)は、これを電子監視・通信デバイスと共に設置することができる。個別のサービスプラン契約における甲のサービス義務を履行するのに必要な、厳選されたプロセスパラメーターを保存し、甲のために当該データを処理すべく、甲または甲が委託した他の法主体に送信することができる(以下「データ処理委託」という。)。乙は、当該データを当該目的のみのために利用することができることを甲と合意し、甲は自らの業務において適用されるのと同様の合理的なデータ保護措置を講じるものとする。

4.2.      甲は、開発、計画、設計、図面、計算、プロトタイプ製作、試験・承認サポート、大量生産準備、プロジェクトサポート、認証対策、開発サービス、バイオマス燃焼の全技術的分野における他のエンジニアリングサービスの形式でのエンジニアリングサービス(以下「エンジニアリングサービス」という。)の提供を行う。当該エンジニアリングサービスは、サービスプラン提案に基づき提案され、当該顧客が受諾したサービスの注文書に記載される。

4.3.      乙が第4.2条および個別のサービスプラン提案に基づいて甲にエンジニアリングサービスを発注した場合、適用されるエンジニアリングサービスの契約上の根拠は下記から構成される。

  1. 甲および乙の相互の書面による宣誓書に加え、乙の要件仕様およびCADガイドライン(これらが存在し、その適用がある場合)
  2. 乙が提供した図面、イラスト、構造、計画、計測結果、重量または他の性能データ
  3. 甲による注文確認書(以下「注文確認書」という。)(この注文確認書においてエンジニアリングサービスの範囲が定義される。)。

上記に定められた契約上の根拠によりエンジニアリングサービスが定義され、適用がある場合、その引渡スケジュールおよび完了日も定義される。その他のすべての事項は本条件に従うものとする。注文確認書及び注文書を総称して「本契約」という。

4.4.      甲は、保守・運用サービスおよびエンジニアリングサービス(以下「サービス」という。)提供のために下請業者に業務を委託する権利を有する。

4.5.  甲の従業員または代理人が乙の事業所で執務する場合、乙は、当該従業員または代理人に指令を出す権利を有さない。

4.6       乙が、甲の帰責事由によることなく、甲との本契約を適法かつ有効に取消し、撤回しまたはその他終了させた場合、乙は、甲に対し、取消/終了時までに提供されたすべてのサービスに対する代金全額に加え、終了を理由に提供されなくなるサービスについて合意していた金額の少なくとも15パーセント相当分の追加費用を支払うものとする。ただし、甲は、適用法令に従い、より高額の補償を請求する権利を有する。

4.7.      乙は、あらかじめ甲が書面にて同意した第三者に甲のサービスに関するノウハウを開示し、または当該サービスの価値を譲渡することのみを認められているものである。この同意要件は、乙の子会社および/またはサプライヤーにも適用される。乙は本条の遵守を保証し、これについて責任を負うものとする。

5  特許権、著作権および他の知的所有権、保護されたノウハウ

5.1.      甲は、自らの製品およびサービス(乙によって別途契約または支払われた場合であっても、特定のプロジェクト向けにカスタマイズされたエンジニアリング製品およびサービスを含む。)における一切の特許権、ノウハウ、著作権、商標権および他の商業的財産権を留保し、乙は、甲の事前の書面による承諾がない限り、第三者に当該権利を開示することはできず、また当該権利を甲との本契約を締結するため以外の目的で利用することはできない。

5.2.      甲は、見積もり、図面、計画、モデル、ツールおよび/またはデバイスおよび他の作業結果ならびに他の文書および付属資料(サンプル等)で契約作成または契約締結の段階において引き渡されたものにおける一切の著作権および他の商業的財産権を留保する。  乙は、甲の事前の書面による承諾がない限り、第三者に当該資料を開示することはできず、当該資料を甲との本契約を締結するため以外の目的で利用することはできない。

5.3.      甲が自らの契約上の義務の履行の過程で個別のソフトウエアを作成した場合、甲は、乙にソースコードを提供する義務を負うものではない。甲によるソフトウエアの作成が乙との契約の明確な主題である限り、甲は、本契約の目的に従って当該ソフトウエアを使用する非独占的権利を乙に付与するものとする。乙は、本契約において定義または想定されていない当該ソフトウエアの複製、送信および使用を行ってはならない。乙が入手した知的所有権の使用許諾の正確な範囲は、甲と別途書面で締結した「秘密保持およびライセンス契約」にこれを定めるものとする。この書面形式要件の免責は書面によってのみ可能である。

5.4.      第5.1条ないし第5.3条に加え、甲は、自らの業務上のノウハウ及び甲が収集し乙のデータベースに転送されたデータに関する一切の権利を保有する。乙は、甲の事前の書面による承諾がない限り、当該ノウハウ、データおよび/またはデータベースソフトウエアをさらに第三者に送信または開示することはできない。乙の子会社および/またはサプライヤーも第三者に含まれるものとする。

6  支払条件

6.1.      他の書面による合意がなされていない限り、すべての請求書に対する支払は、その発行日から14日以内に乙から甲に対して行われるものとし、甲は請求書において指定された通貨で当該支払を受領するものとする。支払は、本契約において別途合意がなされていない限り、銀行間支払取引のみにて円建で行われるものとする。小切手または為替手形は、支払義務の履行とはみなされない。

6.2.      詳細な支払条件については、甲による提案書、サービスプラン提案、または注文確認書に記載される。

6.3.      請求書の発行日後30日以内に支払が行われなかった場合は、乙は自動的に債務不履行となる。遅延利息は年利14.6%とし、この支払期日以降、乙は、請求金額に加え、当該利率で計算した遅延利息を支払うものとする。さらに、甲は、乙が支払懈怠による債務不履行となっている限り、ハードウエア製品のリモート操作を含むサービスを中止する権利を留保するとともに、契約の取消しおよび乙への以後の引渡しの停止を行うことができる。

6.4.      乙がこれらの支払条件もしくは支払期限を遵守しなかった場合、または乙の銀行取引状況に鑑みて乙の信用力に関して合理的な疑義がある場合、甲は、いつでも、自らの裁量により、乙による(サービスおよび現金支払の)同時履行、前払または担保(銀行保証等)の提供のいずれかを要求することができる。この場合、甲の乙に対する金額の定まっていない債権で、分割払の合意があり、または為替手形の受諾があったもののすべてについて、直ちに支払期限が到来するものとする。

6.5.      乙は、甲に対する自らの債務を、甲が公的に認めた債権または管轄裁判所の確定判決により法的拘束力を有する債権とのみ相殺することができる。

7  引渡および履行の条件

7.1.      甲の提案書に別の履行地が記載され、または書面にて合意していない限り、甲は、自らの本社地または甲が自らの単独の裁量において指定したその他の場所において乙のためにサービスを履行するものとし、製品の出荷は乙の危険負担および費用負担で行われるものとする。

7.2.      指示、指導および監督を行うために自らの従業員に指示を出す権利は、甲のみが有するものとする。乙は、プロジェクトステータスレポートを甲に提出することにより、本契約の履行状況を確認する。

7.3.      甲の履行時期は、甲の能力に基づいて書面で別途合意した甲の提案書またはサービスプラン提案に記載されているとおりとするが、両当事者が別段書面にて合意していない限り、甲が適時に必要な支給を受けること、ならびに予測不能または支配不能な事由および障害、特に不可抗力、政府による措置、関税、当局からの必要な許認可の不受理、出荷の遅延、甲に責のないソフトウエアのエラーおよび労働争議またはこれらに準じた事由のないことを条件にし、かつ、法的拘束力を有しないものとする。上記記載の事由により、その期間分甲の履行期限は延長され、当該事由がすでに発生している別の遅延事由の間に発生したとしてもそれによる影響は受けない。この場合、乙がすでに受諾した期限の延長は、予測不能または支配不能な事由の期間分、さらに延長されるものとする。他の取消権にかかわらず、上記事由の結果、乙が合理的に受け入れることができないような履行の遅滞(当該遅滞が乙側の変更計画または第7.4条所定のとおりの支援および協力の懈怠の結果である場合の2ヶ月超の遅延等)が発生した場合、乙は、影響を受けた甲との本契約を取り消すことができる。

7.4.      乙は、甲またはその従業員および下請業者に対し、適用がある場合、必要な情報、文書およびデータのすべてならびに甲の履行のために必要なその他すべてのサポートを、適時かつ無料で提供するものとする。乙は、乙が提供した文書および情報が完全かつ正確であることにつき単独で責任を負うものとし、かつ乙が第三者の知的所有権を侵害した場合にはその責任を負うものとする。甲は、乙が自らの協力義務を履行しなかった結果としての損害についてはこれを補償するものではない。

7.5.      甲が自らの契約上の義務を履行することが合理的に期待できない場合は、第7.3条所定の事由の結果として当該履行の期限が適宜延長された期間内であったとしても、甲は、乙に通知のうえ、影響を受けた本契約のすべてまたは一部を取り消す権利を有する。この場合、取消しの時点からの不履行を理由とするすべての損害賠償請求は、相互に除外されるものとする。なお、甲は、第7.3条所定の事由(特に不可抗力事由)を理由として、その製品の引渡しまたはサービスの履行が不可能となり、または合理的にその履行が期待できない場合で、甲がその点について自らの契約上の義務を取り消した場合は、その義務を免除されるものとする。

7.6.      甲は、合理的である限り、部分的な引渡しを行う権利を有する。

8  組立作業

8.1.      甲が提供するサービスに組立作業が含まれる場合、乙は、自らの費用負担で、必要となるサポートスタッフ、道具等の必要な物品、計算時間等および電源を手配するものとする。乙は、甲の材料および道具が乙の事業所内で安全に保管されるよう対策を講ずるものとする。

8.2.  乙は、組立作業の開始前に適時、要求がなくとも、現行の電源ライン、ガス管、水道管または類似のシステムの場所、および必要となる空電の詳細に関する必要な情報のすべてを提供するものとする。

8.3.      組立作業または操業開始が乙の原因により遅延した場合、乙は、休業期間および/または追加の労働時間についての追加費用、さらに遅延の結果必要となった甲のスタッフおよび/またはその下請業者の追加の交通費を負担するものとする。

9  検査および受入、危険負担

9.1.      甲は、乙に対し、納品書とともに本件製品を納入する。乙は、本件製品の納入受入後20日以内に速やかに、甲が提供した本件製品およびサービスの完全性および当該甲の提案書において定義され乙の注文書により受諾された契約上の要件を遵守しているかどうかを検査するものとし、本件製品が種類、品質および数量に関して乙の注文書の条件に適合する場合、合格証明書を発行する。

9.2.      本契約がサービスに関するものである限り、当該サービスが契約上規定されたとおりに履行された場合、甲は、履行されたサービスの受入および部分的受入を要求する権利を有し、本契約に従い当該プロジェクトレベルが確保された後に部分的受入を要求することができる。乙は、サービスまたは部分的サービスの受入準備が整った旨の連絡を受けた後3週間以内に受入の履行または部分的履行の検査を行い、各検査について一致した受入手順書に署名するものとする。乙が上記記載の期間内にサービスまたは部分的サービスの受入をする義務があったにもかかわらずこれをしなかった場合、または受入検査が乙の責に帰する理由により行われなかった場合、乙は、サービスの受入準備が整ったと乙が連絡を受領した3週間後までに、および乙がサービスの利用を開始した場合にはその後、サービスまたは部分的サービスを受け入れたものとみなされる。

9.3.      本件製品が出荷(出荷の下請業者宛への出荷を含む。)された時点で危険負担は乙に移転するものとする。本件製品が甲の敷地において引き渡された場合、甲が本件製品の引取ができる旨を乙に通知した時点で危険負担が移転するものとする。これはサービスの実行が受入れられたか、または受入れられたとみなされた時点から当該作業についても同じく適用されるものとする。

10 所有権の留保

10.1.    甲が自らの契約上の義務の一部として引き渡さなければならないすべての物品(計画、設計、計算、プロトタイプ、付属資料、プロジェクト計画、データ保存デバイス、および/または他の資料を含むがこれらに限らない。)(以下「留保物品」という。)は、少なくとも当該注文書または注文確認書に起因する甲へのすべての支払を甲が受領するまでは引き続き甲の財産とする。

10.2.    甲の現行または将来のサービスにつき乙の支払債務が支払不履行となり、甲による書面通知から14日以内にこれを是正しない場合、乙について破産手続、民事再生手続もしくは会社更生手続の申立てがあった場合、乙が清算手続を開始した場合、または乙が事業を停止した場合、甲は本契約を取り消すことができ、甲が履行の代わりに損害賠償を請求した場合、甲は乙の事業所敷地内に入り、留保物品を没収する権利を有する。物品の返還後、返金の期限が到来した場合、甲および乙は、返金時における留保物品の一般的な市場価格で当該返金を行う旨合意するものとする。

10.3.    甲が物品、データ保存デバイス、プロトタイプ、CADモデルおよびその他の物品をテストおよびプレゼンテーション目的で乙に引渡した場合、これらの物品は引き続き留保物品であるのみならず、知的所有権の留保の対象でもあるものとする。乙は、想定されたテストおよびプレゼンテーション目的でのみ、かつ当該物品の秘密を保持するような方法で、当該物品を使用する権利を有する。甲との間での別途書面による関連した合意により認められない限り、当該物品のそれ以上の利用は厳禁とする。

10.4     上記に従って留保物品の所有権が乙に移転するまでは、乙は、信頼に足る保険会社による、すべてのリスクに対する全額再調達価額での保険を本件製品に付するものとし、留保物品を良好な状態で保管し、その費用を負担するものとする。乙は、所有権の移転までは、甲の事前の書面による承認なくして留保物品への質権設定、担保物としての所有権の移転、賃貸借またはその他の処分を行う権利を有しない。

10.5.    乙が留保物品を加工した場合、加工は製造者としての甲の名義かつ甲の負担で行われる旨合意するものとし、甲は直接所有権を、または加工が複数の所有者にかかる材料を使って行われた場合もしくは加工された物品の価値が留保物品の価額よりも高い場合は新たに創造された物品の共同所有権(部分的所有権)(新たに創造された物品に対する留保物品の価値の割合で)を、それぞれ獲得するものとする。当該所有権の獲得が甲との間で行われなかった場合、乙は、本条件をもって、自らの将来的な所有権または上述の割合での新たに創造された物品の共同所有権を担保として甲に譲渡するものとする。留保物品と他の物品が統一された物品を形成するために結合またはしっかりと混合した場合、および他の物品のうちの一つが主要物品とみなされた場合は、甲は、主要物品が甲に帰属する限りにおいて、第10.5条第一文に記載された統一された物品の相応の共同所有権を乙に譲渡するものとする。

10.6.    留保物品の再販が行われる場合、乙は、本条件をもって、購入者に対して生じる請求権(甲が留保物品を共同所有する場合は、その共同所有割合に従って)を担保として甲に譲渡するものとする。これは、留保物品に代替する他の請求権または留保物品に関して別途発生する他の請求権(保険金請求権または紛失もしくは破損時の承認されていない行為による請求権)にも同様に適用される。

10.7.    第三者が留保物品を差押により押収した場合、乙は、直ちに第三者に甲の所有権の存在を通知し、甲が自らの所有権を行使することができるよう、甲にもその旨を通知するものとする。乙がかかる行為を適時に行わなかった場合、乙はそれにより生じた損害につき責任を負うものとする。当該第三者が、本件に関して甲が負担した訴訟費用または訴訟外の費用につき甲に補償する立場にない場合、乙はかかる費用につき甲に対する責任を負うものとする。

10.8.    甲のために保有されている担保物の価額が担保されている請求権の価額を上回る場合、甲は、乙の要求により、担保物の一部を放棄するものとする。

11 保証および例外事項

11.1.    乙は、本件製品に係る種類、品質又は数量その他の本契約内容との不適合(以下「契約不適合」という。)を確認するため、第9.1条に従い、本件製品の検査を行う。明らかな契約不適合または注意深く検査を行っていれば直ちに発見されたであろう契約不適合(以下併せて「明らかな契約不適合」という。)に関し、甲が、引渡しから10営業日以内に、当該明らかな契約不適合に関する書面通知を受領しなかった場合は、乙は当該明らかな契約不適合を承認したものとする。その他の契約不適合(以下「隠れた契約不適合」という。)に関し、甲が、当該隠れた契約不適合が明らかになった日から10営業日以内に、当該隠れた契約不適合に関する書面通知を受領しなかった場合は、乙は当該隠れた契約不適合を承認したものとする。ただし、隠れた契約不適合に関する保証期間は、本件製品の引渡しまたは危険負担の移転のいずれか早く到来する日から12ヶ月を超えないものとする。

 

11.2.    保証期間は、最初の商業運用日から12ヶ月か、日本での本件製品の受領時から12ヶ月のいずれか早く到来する日までとする。損害賠償請求の時効期間については、第12.3条に従うものとする。ただし、生命、身体または健康への損害および甲の法的代理人または甲の義務履行者の故意または過失による義務違反から生じる損害については、法令に定める時効期間が適用される。

11.3.    第三者製品に関し、甲は、乙に対して、一切の保証責任を負わないものとする。甲は、当該第三者製品の当該売主に対して有するすべての保証請求権を乙に譲渡するものとする。

11.4.    本件製品の特定の部品は、摩耗部品(別紙11.4所定の部品を含むがこれに限らない。以下「摩耗部品」という。)とみなされる。摩耗部品に関し、甲は、乙に対して、一切の責任を負わないものとする。

11.5.    計測が甲の契約上の履行の基礎となる場合、データ記憶装置、図面、構造物、CD等に記載された計測値は拘束力を有するものとし、甲は、これ以上の責任を負うものではない。

11.6.    乙が甲に対して第11.1条に従い契約不適合について適時かつ適切に請求する限り、甲は速やかにこれを是正する義務を負うものとする。両当事者は、甲が少なくとも2回は同一の契約不適合の是正を試みる権利を有することに同意するものとする。特定の状況によっては、追加の是正の機会を与えることが適切な場合がある。甲は、その裁量により、是正の代わりに代替品の納入を行う権利を有する。乙は甲に対し、通常の営業時間中に乙の事業所または生産現場において合理的に必要と思われる是正措置を行うのに十分な時間および機会を付与する。一定の期間内に是正措置の実行に繰り返し失敗した場合、乙は、合意した報酬額の減額または当該契約の取消しのいずれかを要求する権利を有する。

11.7.    甲は、書面による本契約において当該要件が記載されない限り、プログラム機能が乙の要件に適合すること、または乙が選択した本件製品の配置が作動することについて、一切の責任を負わないものとする。

11.8.    乙または乙の代理人とみなされる者による不適切な使用もしくは保守、操作のエラーおよび過失行為により生じた欠陥または損害、それらから生ずる製品、結果的損害、ならびに火災、雷、送電網での爆発もしくは過電圧、エラーのあるもしくは欠陥のあるソフトウエアおよび/または処理データ、さらにすべての摩耗部品、または本件製品の場所の変更に起因する損害により生ずる契約不適合および損害は、保証の対象から除外される。乙は、送電網で発生した火災、雷、爆発、過電圧、エラーもしくは欠陥のあるソフトウエアおよび/または処理データまたは影響を受けた摩耗部品が、契約不適合または損害の原因ではなかったことを証明しなければならない。甲の作業成果物に甲または保証期間中に甲により授権されている第三者以外の者による妨害またはその他の改変が行われた場合、甲による保証は適用されない。なお、乙が操作マニュアルに従わず、その結果として重要な部品が破損した場合も同様とする。第3.1条bに規定するとおり不適切な原料の使用に関連する可能性が有る欠陥または損傷が発生した場合、乙は、承認済みの原料を使用したことを証明しなければならない。

11.9.    保証および保証請求権はこれを譲渡することができない。

11.10.  請求を受けた契約不適合の検査の結果、保証事由が発生していない(すなわち当該問題は保証対象ではない。)ことが判明した場合、甲は、それらが重要である限り、乙に対し、請求を受けた問題に対応するために合理的に必要とした作業およびすべての費用(甲のエンジニアの交通費および宿泊費、交換部品等の市価を含むが、これらに限られない。)を請求できるものとする。請求を受けた問題のために甲のエンジニアの移動距離が50キロを超える場合には、甲は、乙に対し、合理的な前受金を請求できるものとする。

11.11.  乙が甲の本件製品を注文書/引渡条件に記載されたものとは別の場所に移動させた場合、甲は、乙に対し、当該請求を受けた問題に対応するために合理的に必要なすべての交通費および宿泊費を請求できるものとする(当該問題が実際に保証の対象であるかどうか、またはあったかどうかを問わない。)。

12 責任

12.1.    甲は、下記についてのみ責任を負うものとし、その他の一切の責任を負わないものとする。

a) 甲の過失での義務違反または甲の法的代理人もしくは甲の義務履行者の故意もしくは過失での義務違反による人身傷害に基づく損害。

b) 甲の重過失での義務違反または甲の法的代理人もしくは甲の義務履行者の故意もしくは重過失での義務違反による損害。

c) 本契約の性質上固有の、契約上の主要な義務の違反に起因する損害で、かつ、本契約の目的が達成し得なくなる損害。

甲の取締役、代理人および従業員ならびに下請業者の個人的な責任のうち、これらの者が軽過失により生じさせた損害については免責されるものとする。

12.2.  12.1条に従って存続するいかなる責任も、甲が予見不可能な損害、間接的および/または結果的損害、逸失利益、商機の逸失については責任を負わないよう制限される。甲の責任は、いかなる場合であっても本契約が締結された時点で予想される直接的かつ典型的な損害に限定される。甲は、データ喪失、逸失利益その他の間接的または結果的損害については一切責任を負わないものとする。

12.3. 製造物責任法に基づく請求を除き、乙の損害に関する請求期間は、損害が生じた時点から12ヶ月以内とする。ただし、明らかな契約不適合および隠れた契約不適合に関する損害賠償請求の期間は、第11.1条に従うものとする。

12.4.    上記の責任制限にかかわらず、甲(その有責性を問わない。)は、悪意をもって契約不適合を隠蔽した場合、保証を引き受けた場合または法令に従い製造物責任を負う場合には、その責任を負うものとする。

12.5.    乙が加入している保険で損害が補償される場合、甲は、保険料の増額や利息の損失等、保険金の精算により乙が被った不利益に対してのみ責任を負うものとする。

12.6.    引渡しの遅延については、本条件の第7条に記載されている。引渡しの遅延が甲の帰責事由による場合、乙は甲に通知するものとする。乙は、遅延により生じた損害の一括補償を請求することができる。一括補償額は、遅延が完了した各暦週の正味価格(納品金額)の0.25%とするが、遅延して引渡された商品の納品金額の5%を超えないものとする。ただし、甲が、乙が何らの損害も被っていないこと、または被った被害が上記の一括払の補償額よりも著しく低いことを証明した場合、甲の責任はその限度に限定されるものとする。甲は、引渡しの遅延について、本条に定めるもののほか、一切責任を負わない。

12.7.    故意または重過失の場合を除き、特に、主要な契約上の義務の違反が過失による場合、甲が一つの損害事由につき乙に対して負担する損害賠償額は本契約の価額の100%を限度とするものとする。

13 秘密保持

両当事者は、契約上の関係において自らに提供されたまたは自らが知ったすべての文書および情報の秘密を厳守するものとし、相手方の事前の書面による承諾なしにこれらを第三者に開示してはならない。乙は、本秘密保持義務の対象者に自らの従業員、代理人および下請業者の全員を含めるものとする。秘密保持義務は本契約の終了後も存続するものとする。ただし、以下の文書および/または情報については、秘密保持義務が適用されないものとする

a) 契約以前から公知のもの

b) 秘密保持義務に違反することなく第三者から適法に相手方に提供されたもの

本秘密保持義務については、別途両当事者間で締結予定の「秘密保持義務および使用許諾契約書」において別途その詳細が定められるものとする。本秘密保持義務は、本条件の第5.3条および第5.4条に基づく乙の義務を何ら制限するものではない。

甲は、社内での分析およびマーケティングのために、プロジェクトに関するパフォーマンスデータ、ロケーション及び一般的なセットアップに関する情報を開示する権利を有する。ただし、乙が書面により開示に異議を述べた場合を除く。

14 勧誘行為

乙は、本契約の履行中およびその後1年間は甲の従業員に関して勧誘行為を行わないことを誓約し、それが従業員または乙の主導によるか否かを問わない。甲の従業員の勧誘行為またはその試みは重大な契約違反を構成する。勧誘行為があった場合、乙は、甲に対し、勧誘された従業員の総給与額6ヶ月分相当額の損害賠償金を支払うものとする。甲も、乙の従業員の勧誘行為を行わないことを誓約する。

15 雑則

15.1.    両当事者間の本契約および/または本条件の変更が有効となるには書面によることが必要となる。書面による要件の権利放棄についても同様とする。

15.2.    本条件の一つまたは複数の条項が無効または執行不能となった場合でも、残余の条項の有効性については何ら影響しない。当事者は、無効または執行不能の条項を、もともと当該条項が意図していた経済的目的を遵守するのに最善な、有効かつ執行可能な条項と適宜代替させ、またはこれを変更するものとする。

15.3.    甲乙間の本条件および本契約に関連する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

15.4.    本条件および/または本契約は日本法に準拠し、日本法に従って解釈されるものとする。国際物品売買契約に関する国際連合条約(1980年4月11日採択)の適用はない。

15.5.    本条件の日本語版のみが法的効力を有し、英語版を含む本条件の翻訳は、参考のために作成されたものであり、法的効力を有しないものとする。

 

日付:2023年11月*日

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